家庭菜園でじゃがいもを育てたいけれど、いつ植えるのが正解か迷っていませんか? じゃがいも栽培は、春だけでなく秋 じゃがいも 植え付け 時期もありますが、それぞれ適したタイミングが存在します。なぜなら、じゃがいもは暑すぎても寒すぎても育たない、デリケートな野菜だからです。
特に、植え付け時期 遅いと収穫量に大きく影響したり、最悪の場合はまったく収穫できなかったりします。そのため、10月 植え付けや11月 植え付けといった晩秋の植え付けが可能なのか、気になっている方も多いでしょう。
この記事では、じゃがいもを植えるベストな時期について、春植え・秋植えの違い、地域差、そして時期を逃した場合のリスクまで、初心者の方にも分かりやすく詳しく解説します。
- じゃがいもの最適な植え付け時期(春・秋)
- 地域(寒冷地・暖地)ごとの作業カレンダー
- 植え付けが遅れた場合のリスクと対策
- 秋植えに適した品種と栽培のコツ
じゃがいもを植える時期の基本と注意点
じゃがいも栽培の成否は、「植え付け時期」で8割が決まると言っても過言ではありません。ここでは、なぜ時期が重要なのか、春植えと秋植えの基本的なタイミング、お住まいの地域による違い、そして時期を逃した場合の具体的なリスクについて、栽培の土台となる知識を詳しく解説します。
じゃがいもをいつ植えるのが最適か

じゃがいもの植え付けに適した時期は、大きく分けて「春」と「秋」の年2回あります。
なぜなら、じゃがいもが元気に育ち、芋を大きくする(肥大する)ための生育適温が15℃~20℃前後と、比較的涼しい気候を好む作物だからです。農林水産省の情報でも、ばれいしょ(じゃがいも)の生育適温は日中20℃前後、夜間10~14℃とされており(出典:農林水産省「じゃがいも さつまいも」)、この温度帯が光合成で作ったデンプンを芋に効率よく蓄積させるために重要です。
逆に、気温が30℃を超える真夏や、霜が降りるほどの低温になる真冬は、生育が停止したり、株自体が枯れてしまったりします。
このため、日本の気候では、生育適温の時期を栽培期間中に確保できる、以下の2つのタイミングが最適とされています。
- 春植え(2月下旬~4月頃):冬の寒さが和らぎ、地温が5℃以上に安定し始める春に植え付け、気温が30℃を超える前の初夏(梅雨時期)に収穫します。
- 秋植え(8月下旬~9月上旬):夏の猛暑が過ぎ、気温が下がり始める晩夏~初秋に植え付け、霜が降りて株が枯れる初冬までに収穫します。
どちらの時期を選ぶかによって、適した品種や管理のコツ、主なリスクが大きく変わってきます。
春と秋で異なる植え付けのタイミング

春植えと秋植えでは、具体的な植え付け時期が異なります。それぞれのメリットとデメリットを理解し、ご自身の環境に合った栽培計画を立てましょう。
春植えの時期(2月下旬~4月頃)
最も一般的で、家庭菜園の初心者にもおすすめされるのが春植えです。植え付けの目安は、お住まいの地域の「遅霜(おそじも)」の心配がなくなる頃です。じゃがいもは寒さには比較的強いですが、地上に出たばかりの若い芽が霜に当たると、黒く枯れてしまい、その後の生育が大幅に遅れてしまいます。
収穫は6月~7月頃となり、梅雨の長雨に当たる前に収穫のタイミングを見極める必要があります。
春植えのメリット:
- 「男爵薯」や「キタアカリ」など、育てやすく人気のある品種が豊富。
- 秋植えに比べて病気(特にウイルス病)のリスクが少なく、栽培期間も長めに取れます。
- じっくり育てる時間があるため、芋が大きく育ちやすく、収穫量も多くなる傾向があります。
春植えのデメリット:
- 収穫時期が梅雨と重なりやすく、雨が続くと土が乾かず収穫できません。収穫が遅れると芋が腐る原因になります。
- 地域によっては遅霜対策(不織布をかけるなど)が必要になる場合があります。
秋植えの時期(8月下旬~9月上旬)
「秋じゃがいも」と呼ばれますが、実際に植えるのは「晩夏」です。この時期に植える最大の理由は、冬の霜が降りる11月下旬~12月上旬までに、約90~100日間の生育期間を確保するためです。
秋植え栽培の最大のハードルは、植え付け時期の「残暑」と「地温の高さ」です。高温多湿の土壌に種芋を植えると、発芽する前に腐敗してしまうリスクが高くなります。
秋植えのメリット:
- 昼夜の寒暖差が大きくなる秋に芋が肥大するため、春植えに比べてデンプン価が高くなり、ホクホクとした食感の美味しい芋が収穫しやすいとされます。
- 栽培期間が約3ヶ月と短く、畑のスペースを有効活用できます。
秋植えのデメリット:
- 残暑による種芋の腐敗や、発芽不良のリスクが非常に高いです。
- 生育初期が台風シーズンと重なるため、風雨による被害対策が必要な場合があります。
- 栽培期間が短いため、春植えより収穫量は少なくなる傾向があります。
- 選べる品種が「デジマ」など秋植え専用のものに限られます。
地域ごとの気候で変わる最適時期
前述の植え付け時期は、あくまで「中間地(関東~関西)」の目安です。お住まいの地域が寒冷地か暖地かによって、最適な時期は大きく変動します。
ご自身の地域がどこに当てはまるかを下の表で確認し、作業カレンダーの参考にしてください。これはあくまで目安ですので、最終的にはお住まいの地域の気象台が発表する「霜の終日・初日」を参考に調整するのが確実です。(参考:気象庁「過去の気象データ検索」)
| 地域区分 | 春植えの時期 | 秋植えの時期 | 主な該当エリア |
|---|---|---|---|
| 寒冷地 | 4月中旬~5月上旬 | 原則として不可 (生育期間が短すぎるため) | 北海道、東北、北陸、長野県などの高冷地 |
| 中間地 | 2月下旬~3月下旬 | 8月下旬~9月上旬 | 関東、東海、近畿、中国、四国(平野部) |
| 暖地 | 2月中旬~3月上旬 | 9月上旬~9月中旬 | 九州、四国(南部)、沖縄 |
地域別のポイント:
- 寒冷地: 北海道などでは、秋植えをしようとしても芋が育つ前に気温が氷点下になり、積雪が始まるため、栽培は不可能です。春植え(5月のゴールデンウィーク頃)が基本となります。
- 暖地: 春植えは中間地よりやや早くスタートできます。逆に秋植えは、残暑が厳しく地温が下がるのが遅いため、スタートが少し遅め(9月に入ってから)になります。
秋じゃがいも植え付け時期の目安
秋じゃがいも栽培で最も失敗しやすいのが、「秋」という言葉のイメージに惑わされて植え付け時期を間違えることです。
「秋 じゃがいも 植え付け 時期」の正解は、前述の通り「8月下旬~9月上旬」です。この約2~3週間の適期を逃すと、成功率は著しく低下します。
注意:「秋本番」の10月では遅すぎます! 10月は人間にとっては過ごしやすい「秋」ですが、じゃがいもにとっては「冬の始まり」です。10月に植え付けた場合、芋が肥大化するために必要な生育期間(約90日)を確保できません。
芋が十分に大きくなる前に、11月下旬~12月上旬の「初霜」を迎えてしまいます。霜によって地上の茎や葉が枯れると、光合成ができなくなり、芋の成長は完全にストップします。
秋じゃがいもは、「晩夏の暑さが残る時期に植え付け、涼しい秋に一気に育て上げ、初冬の霜が降りる前に収穫する」という、非常にタイトなスケジュールで栽培する必要があるのです。
植え付け時期が遅いとどうなるか

では、春植え・秋植えともに「植え付け時期 遅い」場合は、具体的にどのような問題が起こるのでしょうか。それぞれの失敗パターンを解説します。
春植えが遅れた場合(5月~6月植え)
春植えの時期を逃し、例えば5月や6月に植え付けた場合、じゃがいもが育つべき大事な時期が、日本の「梅雨」と「真夏」に直面します。
- 高温多湿による腐敗: 土の中の湿度と温度が上がりすぎ(30℃以上)、植えた種芋が発芽する前に腐敗しやすくなります。
- 高温障害による生育停止: じゃがいもは高温に弱く、気温が25℃を超えると芋の肥大が鈍り、30℃を超えると生育自体が止まってしまうことがあります。
- 病害虫の多発: 高温多湿は、じゃがいもの大敵である「そうか病」や「疫病」などの病気が発生しやすい環境です。また、アブラムシなどの害虫も活発になります。
秋植えが遅れた場合(10月以降)
秋植えが遅れると、問題は「暑さ」ではなく「寒さ」です。芋が肥大化するための絶対的な生育期間と温度が不足します。
- 生育停止と肥大不足: 芋が大きくなる前に気温が下がりすぎ(特に地温が10℃以下になると顕著)、生育がストップします。
- 霜による枯死: 最大の敵は「霜」です。収穫時期までに霜が降りると、地上の茎や葉は一発で枯れてしまいます。光合成ができなくなるため、芋はそれ以上一切大きくなれません。
- 収穫量の激減: 結果として、収穫できたとしてもピンポン玉のような小さな芋(いわゆる規格外の「小芋」)ばかりになってしまいます。
春植えと秋植えの違いと選び方

ここまで解説した春植えと秋植えの特徴を一覧表にまとめます。どちらに挑戦するか迷っている方は、ご自身の目的や環境に合わせて比較検討してください。
| 比較項目 | 春植え | 秋植え |
|---|---|---|
| 難易度 | 易しい(初心者向き) | やや難しい |
| 栽培期間 | 長い(約100日~120日) | 短い(約90日~100日) |
| 収穫量 | 多い傾向 | 少ない傾向 |
| 食感の特徴 | みずみずしい(いわゆる「新じゃが」) | デンプン価が高く、ホクホク感が強い |
| 主なリスク | ・遅霜による初期生育不良 ・梅雨時期の収穫作業(腐敗) | ・残暑による種芋の腐敗 ・台風による倒伏 ・早霜による生育停止 |
| 主な品種 | 男爵薯、キタアカリ、メークインなど多数 | デジマ、ニシユタカ、さんじゅう丸など限定的 |
初めてじゃがいも栽培に挑戦する方や、安定した収穫量を楽しみたい方には、育てられる品種の選択肢が多く、栽培期間に余裕のある「春植え」からスタートするのが最もおすすめです。
秋植えは、残暑対策や短い期間での管理など、やや上級者向けのテクニックが求められます。春植えで栽培の基本的な流れ(芽出し、植え付け、芽かき、土寄せ、収穫)を掴んでからチャレンジすると良いでしょう。
じゃがいもを植える時期ごとの実践ガイド
基本的な植え付け時期を理解したら、次は具体的な実践方法です。特に検索されることの多い「10月・11月植え」の可否や、秋植え成功のカギとなる品種選び、そして失敗しないための栽培スケジュールについて、一歩進んだテクニックを紹介します。
10月植え付けで成功する条件

「秋じゃがいもを植えそびれたけれど、今から(10月に)植え付けたい」というご相談は非常に多いですが、結論から言うとほとんどの地域(中間地・寒冷地)では推奨されません。
前述の通り、芋が育つ前に霜が降りてしまうためです。しかし、以下の非常に限定的な条件がすべて揃えば、大きな収穫は期待せず、小芋の収穫を目的とした「チャレンジ」として可能な場合があります。
10月植え付けが可能な(かもしれない)条件
- 地域:沖縄や九州南部(鹿児島、宮崎)、種子島、伊豆諸島南部など、冬でも平均気温が10℃以上あり、霜がまず降りない「超暖地」であること。
- 品種:必ず秋植え専用品種(デジマなど)を選ぶこと。
- 目的(覚悟):大きな芋の収穫は期待せず、小さな芋(小芋)を収穫できれば良いと割り切ること。
中間地などでも、ビニールハウスや温床といった本格的な保温設備があれば別ですが、通常の露地栽培(畑やプランター)での10月植え付けは、種芋を無駄にしてしまう可能性が非常に高いです。
11月植え付けは可能かとリスク

11月 植え付けについては、10月植え以上に困難であり、ほぼ不可能だと考えてください。この時期の植え付けは、種芋を土に捨てるようなものになってしまうリスクがあります。
11月植え付けの致命的なリスク 11月になると、ほとんどの地域で地温(土の中の温度)が10℃を大きく下回ります。じゃがいもの発芽には最低でも5℃~7℃、順調な発芽には10℃以上の地温が必要とされるため、植えても芽が出ない(発芽しない)可能性が非常に高くなります。
運良く地温が保たれて発芽しても、すぐに真冬の寒さ(氷点下)で地上部が枯れてしまいます。収穫はまったく見込めません。11月になってしまった場合は、無理に植え付けず、種芋が手に入れば適切に保存して、次の春植え(2月~)の準備をすることをおすすめします。
遅い時期に植える際の管理ポイント

もし、推奨時期(9月上旬)より少し遅れてしまった(例:9月下旬~10月上旬)場合や、前述の条件付きで10月にチャレンジする場合、通常よりも徹底した「保温対策」が必要になります。
- マルチングによる地温確保 植え付けた畝(うね)に、地温を上げる効果のある「透明マルチ」や、地温を保ち雑草も抑える「黒マルチ」を張ってから植え付けます。
- 不織布・トンネルによる防霜 芽が出た後は、支柱を立てて不織布(ふしょくふ)やビニールをトンネル状にかけ、冷たい風や直接霜が当たるのを防ぎます。
- プランター栽培での物理的防寒 プランターで育てる場合は、管理がしやすいというメリットがあります。夜間や急激に冷え込む日は、軒下や玄関先、室内に取り込むことで、霜の被害を物理的に回避できる可能性があります。
ただし、これらの対策をしても、冬に向かって日照時間が短くなることは変えられません。光合成量が絶対的に不足するため、芋の肥大は期待薄であることは理解しておく必要があります。
品種別に見る秋じゃがいも植え付け時期

秋じゃがいも栽培を成功させるには、「品種選び」が春植え以上に重要です。
なぜなら、じゃがいもには収穫後に一定期間芽が出ない「休眠期間」という性質があるためです。春植えで人気の「男爵薯」や「キタアカリ」は、この休眠期間が長いため、春に収穫した芋を秋植えの時期(8~9月)に植えようとしても、まだ眠っているため芽が出にくいのです。
秋植えには、以下のような休眠期間が短く、暑さにも比較的強い秋作専用品種を選んでください。
秋植えにおすすめの代表品種
- デジマ:最も代表的な秋じゃがいも品種。芋の肥大が早く、多収穫も期待できます。煮崩れしにくいため、煮物やカレーに適しています。大手種苗メーカーのタキイ種苗でも「秋作の代表品種」として紹介されています。(出典:日本いも類研究会「デジマ」)
- ニシユタカ:デジマと同様に秋植えの定番品種。病気に強く、デジマよりもさらに煮崩れしにくいのが特徴です。
- さんじゅう丸:長崎県で開発された比較的新しい品種で、ウイルス病や「そうか病」に強く、初心者でも育てやすいのが魅力です。
これらの品種は、例年8月頃になるとホームセンターなどで「秋じゃが用種芋」として販売されます。春植え用の種芋とは販売時期が異なるので注意しましょう。
初心者が失敗しない植え付けスケジュール

植え付け時期が分かったら、その前後の作業スケジュールも確認しておきましょう。特に「芽出し」と「土寄せ」は、じゃがいも栽培の成功率を格段に上げる重要な作業です。
植え付け2~3週間前:芽出し(浴光育芽)
植え付けの成功率を上げるために、特に春植えで必須の作業が「芽出し(よくこういくが)」です。購入した種芋を、植え付けの2~3週間前から、直射日光の当たらない明るい場所(窓辺など)に並べ、芽を育てます。 これにより、植え付け後の生育が揃い、丈夫な芽が早く出てくるため、その後の成長がスムーズになります。
植え付け当日:種芋のカットと植え方
大きな種芋(1個50g以上)は、芽が均等に残るように切り分けます。切り口が腐敗の原因になるため、植え付けの数日前にカットして切り口をしっかり乾燥させるか、「草木灰(そうもくばい)」などの殺菌剤をまぶしてからすぐに植え付けます。
植え付けの深さは7~10cm、株と株の間隔(株間)は30cm程度が目安です。
秋植えの種芋カット注意点 前述の通り、秋植え(8月下旬~9月上旬)は、まだ地温が高いため、種芋をカットすると切り口から腐敗しやすいです。対策として、秋植えではあえて種芋を切らずに「丸ごと植える」か、切る場合でも小さい種芋(30~50g)を使うことが推奨されます。
植え付け後:管理(芽かき・土寄せ)と収穫
植え付けから約1ヶ月後、芽が10cmほどに伸びたら、最も重要な管理作業「芽かき」と「土寄せ」を行います。
- 芽かき:1つの種芋から出た芽のうち、元気なものを1~2本残し、他は根元から引き抜きます。芽の数を減らすことで、残った芽に養分が集中し、大きな芋が育ちます。
- 土寄せ:芽かきと同時に、株元に土を寄せます。これは、芋が土の外に出て光に当たり、緑化するのを防ぐためです。芋が緑化すると、有毒な「ソラニン」や「チャコニン」が生成されてしまい、食べられなくなります。この土寄せは、収穫までに1~2回追加で行うのが理想です。(詳細は農林水産省の注意喚起をご確認ください)
収穫のサインは、春植え・秋植えともに「地上の茎や葉が黄色く枯れてきた頃」です。晴れた日を選んで、芋を傷つけないように収穫しましょう。
まとめ:じゃがいもを植える時期の最適判断とコツ
- じゃがいもの植え付けは春と秋の年2回
- 春植えは2月下旬から4月が目安
- 秋植えは8月下旬から9月上旬が目安
- じゃがいもの生育適温は15℃から20℃
- 初心者は育てやすい春植えがおすすめ
- お住まいの地域の気候に合わせることが最重要
- 寒冷地(北海道など)での秋植えは原則不可
- 「秋じゃがいも」は晩夏に植えるのが正解
- 植え付け時期が遅いと収穫量が激減する
- 春植えが遅れると高温多湿で種芋が腐る
- 秋植えが遅れると霜で芋が育たず枯れる
- 10月や11月の植え付けは原則NG
- 一部の超暖地を除き10月以降の植え付けは失敗する
- 秋植えは「デジマ」など専用品種を選ぶ
- 植え付け前には「芽出し」作業を行う
- 収穫のサインは葉や茎が黄色く枯れた頃

