家庭菜園でのじゃがいも栽培は人気ですが、多くの人が「そうか病」に悩まされています。皮がカサブタのようにザラザラになってしまう、あの厄介な病気です。
その対策として「米ぬかが良い」と耳にしたものの、本当に肥料として使えるのか、正しい使い方が分からないという方も多いのではないでしょうか。また、同じ有機質肥料としてよく使われる鶏糞や、土づくりに欠かせない苦土石灰との併用についても気になるところです。
米ぬかは、正しく使えば土壌を豊かにし、病気を抑える強力な味方となりますが、使い方を間違えれば虫の発生や生育不良を招く「諸刃の剣」でもあります。この記事では、じゃがいも栽培における米ぬかの本当の効果、失敗しないための具体的な使い方、そして鶏糞や苦土石灰との正しい付き合い方について、科学的な側面も交えながら詳しく解説していきます。
- じゃがいも栽培における米ぬかのメリット・デメリット
- そうか病対策と土壌改良の仕組み
- 虫やカビを発生させない米ぬかの正しい施用方法
- 鶏糞や苦土石灰と併用する際の注意点
じゃがいも栽培で肥料に米ぬかを使う利点
じゃがいも栽培において、米ぬかは単なる肥料としてだけでなく、土壌を劇的に改善する資材として注目されています。多くのベテラン農家や家庭菜園愛好家が米ぬかを利用する理由は、その多面的な効果にあります。
特に、じゃがいも栽培の最大の敵ともいえる「そうか病」への対策として非常に有効です。ここでは、米ぬかが持つ具体的な効果と、その力を最大限に引き出しつつ、虫やカビといった失敗を避けるための正しい使い方を解説します。
そうか病対策と土壌改良の効果

じゃがいも栽培で米ぬかを利用する最大のメリットは、「そうか病」の抑制効果が期待できることです。
そうか病は、土壌がアルカリ性に傾くと発生しやすくなる病気です。米ぬかを土に施すと、それをエサにして土壌中の微生物(善玉菌)が爆発的に増殖します。特に、そうか病菌と敵対する(拮抗する)放線菌などの微生物が増えることで、そうか病菌が活動しにくい土壌環境へとバランスを整えてくれるのです。
実際に、米ぬかなどの有機物を施用することで土壌中の微生物の多様性が高まり、病害が抑制されたという研究報告もあります。(出典:農研機構「米ぬか施用によるジャガイモそうか病の発病抑制」)
さらに、米ぬかは優れた「土壌改良材」でもあります。米ぬかという豊富な有機物をエサに微生物が活発に活動することで、微生物が分泌する粘液などによって土の粒子がくっつき、「団粒構造」が促進されます。
これにより、土がふかふかになり、通気性、排水性、保水性が飛躍的に向上します。じゃがいもはイモが育つスペースが必要なため、このように土が柔らかくなることは、根の伸長やイモの肥大にとって非常に良い影響を与えます。
肥料としての側面:じっくり効く栄養素
米ぬか自体にも、植物の成長に必要な栄養素が含まれています。文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によれば、米ぬか(生)100gあたりにはリンが1500mg、カリウムが1800mg含まれており、これは植物の三大栄養素のうちの2つです。
- リン酸(P): イモの肥大(大きく育つこと)を助け、品質を向上させます。
- カリウム(K): 根の成長を促し、デンプンの生成を助け、病気への抵抗力を高めます。
化学肥料のように即効性はありませんが、微生物によってゆっくり分解されるため、じっくりと長く効く有機質肥料(緩効性肥料)としても機能します。
失敗しない米ぬかの使い方と量

米ぬかの効果を最大限に引き出すには、適切な「施用量」と「混ぜ方」が重要です。これを誤ると、後述するデメリット(虫、カビ、発酵熱など)の直接的な原因となります。
まず施用量ですが、多すぎると土の中で急激に発酵しすぎてしまい、かえって害が出ることがあります。「土のため」と思って大量に入れるのは逆効果です。家庭菜園での目安としては、1㎡あたり200g〜300g程度(両手で軽く2〜3杯程度)から始めるのが安全です。土の状態(砂質か粘土質か)や前作の状況にもよりますが、最大でも500g程度に留めておくのが賢明です。
次に混ぜ方です。最も重要なのは、土の表面に撒くだけでなく、土としっかり深く混ぜ込むことです。表面に撒いた(「ばら撒き」した)だけでは、分解が偏るだけでなく、後述する害虫の格好のエサになってしまいます。
クワなどを使い、少なくとも深さ20cm〜30cmの範囲で、米ぬかと土が均一に混ざり合うように丁寧に耕してください。米ぬかが塊のまま残っていると、そこからカビが発生したり、害虫の巣になったりする原因となります。
米ぬか施用のポイント
- 施用量: 1㎡あたり 200g〜300g程度を目安に(最大500gまで)。
- 混ぜ方: 深さ20〜30cmで、土と均一にしっかり混ぜ込む(塊をなくす)。
- 施用後: 軽く水を撒いて土と馴染ませると、微生物の分解が促進されます。
施用タイミングは植え付け2週間前
米ぬかを施すタイミングは、じゃがいも栽培の成否を分ける最も重要なポイントです。必ず、種イモを植え付ける「2週間〜3週間前」に施すようにしてください。春植えであれば3週間前、秋植えで気温が高い時期なら2週間前でも間に合う場合がありますが、余裕を持つことが成功の秘訣です。
これは、生の米ぬかが土の中で微生物によって分解(発酵)されるまでに時間が必要だからです。この分解プロセスを「熟成期間」と考えましょう。もし植え付けの直前や当日に米ぬかを施してしまうと、土の中で急激な発酵が始まり、次に解説する「発酵熱」や「窒素飢餓」といった深刻な問題を引き起こします。
「米ぬかを撒いたら種イモが腐った」という失敗談のほとんどは、この「熟成期間」を設けなかったことが原因です。植え付けから逆算して、早めに土づくりを完了させましょう。
植え付けまでに2〜3週間の期間を置くことで、土の中の発酵がある程度落ち着き(発酵熱が冷め、窒素バランスが安定し)、種イモが安全に根を張れる環境が整います。この「待つ期間」こそが、米ぬかを安全な資材に変える鍵となります。
生米ぬかのデメリット(虫・カビ)
米ぬかは非常に栄養価が高く、香ばしい匂いがするため、残念ながら人間以外の多くの生き物も引き寄せてしまいます。これが生の米ぬかを使う際の大きなデメリットであり、多くの人が失敗するポイントです。
特に注意が必要なのが、コガネムシの幼虫(根を食害する)、ナメクジ、ヨトウムシといった害虫、さらにはネズミなどの害獣です。米ぬかが地表に残っていたり、土と浅くしか混ざっていなかったりすると、それらが格好のエサ場となってしまいます。
また、米ぬかが湿気を含むと、特に塊になっている部分からカビが発生しやすくなります。白いカビ(放線菌など)は分解が進んでいる証拠である場合もありますが、青カビや黒カビが発生している場合は、混ぜ方が不均一であるか、水分が多すぎる可能性があります。
虫・カビの対策
これらのデメリットを防ぐ方法は、前述の通り「植え付け2〜3週間前に」「土と深く、均一に混ぜ込む」ことです。地表に米ぬかを残さないことを徹底するだけで、害虫や害獣にエサがあることを気づかせにくくし、カビの発生も抑えることができます。
もし施用後に虫が大量に発生してしまった場合は、一度掘り起こして土とよく混ぜ直し、乾燥させるか、状況に応じて適切な薬剤の使用を検討してください。
発酵熱と窒素飢餓のリスク

植え付け直前に米ぬかを施した場合に起こる、最も深刻なリスクが「発酵熱」と「窒素飢餓」です。これらは種イモに致命的なダメージを与えます。
発酵熱による種イモの腐敗
生の米ぬかを土に混ぜると、微生物がそれを分解するために一斉に活動を開始し、その過程で「発酵熱」が発生します。米ぬかは発酵しやすい資材のため、条件が揃うと土の中の温度が一時的に50℃~60℃以上に達することもあります。
冬場であれば土を温める効果も期待できますが、植え付け直後だと、この熱が種イモを直撃します。結果として、種イモが文字通り「煮えた」ような状態になり、発芽することなく腐敗してしまうのです。
窒素飢餓による生育不良
もう一つのリスクが「窒素飢餓(ちっそきが)」です。これは、米ぬか(炭素源=C)と土の中の窒素(N)のバランス(C/N比=炭素率)に関係しています。米ぬかは炭素を多く含むため、微生物がこれを分解する際に、エネルギー源として土の中の窒素(N)を大量に消費してしまいます。
その結果、一時的に土の中からじゃがいもが利用できる窒素がなくなり、植え付けた種イモが初期生育に必要な栄養(特に葉や茎を育てる窒素)を吸収できず、発芽しても葉が黄色くなるなど、深刻な生育不良に陥ってしまいます。
リスク回避の絶対条件
これらの致命的なリスクを回避する唯一の方法は、繰り返しになりますが「植え付けの2〜3週間前までに施用を終え、土の中で発酵のピーク(発熱と窒素消費)を終わらせておく」ことです。
安全・簡単な「米ぬかぼかし肥料」の作り方

「生の米ぬかを土に入れるのは、虫や発酵熱がやっぱり不安だ」「熟成期間を待つ余裕がない」という方には、あらかじめ米ぬかを発酵させた「ぼかし肥料」の活用をおすすめします。
ぼかし肥料は、すでに発酵が完了しているため、土に入れても急激な分解が起こらず、発酵熱や窒素飢餓の心配がありません。また、生の米ぬかに比べて虫も湧きにくいという大きなメリットがあります。市販品もありますが、ご家庭でもビニール袋などで簡単に作ることができます。
超簡単!米ぬかぼかし肥料の作り方(一例)
- 材料を準備する:
- 米ぬか:1kg
- 油かす:100g(窒素分を補う。なければ米ぬかだけでも可)
- 水:300〜400ml程度(米ぬかの乾燥具合で調整)
- (あれば)発酵促進剤:ヨーグルトやドライイーストを少量
- 材料を混ぜる: 米ぬかと油かすをよく混ぜ合わせます。
- 水分調整: 水(または発酵促進剤を溶かした水)を少しずつ加え、全体をよく混ぜます。手で強く握ったときに塊になり、指で押すとホロリと崩れるくらいの水分量(水分率30〜40%)が目安です。
- 密閉・発酵: ビニール袋や蓋付きのコンテナ(バケツなど)に入れ、できるだけ空気を抜いて密閉します。直射日光の当たらない日陰の暖かい場所に置きます。
- 発酵の確認: 夏場なら1〜2週間、冬場なら1ヶ月程度で完成します。途中、数日に一度かき混ぜると発酵が均一に進みます。甘酒や味噌のような甘酸っぱい(発酵した)匂いがすれば成功です。もし、アンモニア臭や腐敗臭がする場合は失敗(腐敗)の可能性が高いです。
完成したぼかし肥料は、元肥として土に混ぜ込む(この場合、熟成期間なしで植え付け直前でもOK)ことも、追肥として使うこともできます。
じゃがいも肥料と米ぬかの併用資材
米ぬかを使った土づくりを行う際、他の資材との相性も気になります。特に家庭菜園で定番の「鶏糞」や「苦土石灰」は、じゃがいも栽培においては使い方に細心の注意が必要です。
「野菜作りにはコレ」という思い込みで施用すると、じゃがいも栽培ではかえって失敗を招くことがあります。ここでは、じゃがいもが好む土壌環境(pH)の基本と合わせて、これらの資材との正しい付き合い方を解説します。
鶏糞の併用はpH上昇に注意

鶏糞は、窒素・リン酸・カリウムをバランス良く含み、安価で手に入る非常に優秀な有機質肥料です。しかし、じゃがいも栽培で米ぬかと併用する際には注意が必要です。
その理由は、鶏糞には石灰(カルシウム)分も多く含まれており、土壌のpHをアルカリ性に傾ける性質があるためです。これは、鶏の飼料に卵の殻を強くするために貝殻(炭酸カルシウム)などが含まれているためです。後述しますが、じゃがいもは土壌がアルカリ性になると「そうか病」のリスクが激増します。
| 成分 | 特徴 | じゃがいも栽培での注意点 |
|---|---|---|
| 窒素 (N) | 比較的多く、速効性もある | 適量なら生育を助けるが、過多は禁物 |
| リン酸 (P) | 豊富 | イモの肥大を助ける |
| カリ (K) | 豊富 | イモの肥大・品質向上 |
| 石灰 (Ca) | 非常に多く含む | 土壌pHをアルカリ性にし、そうか病を誘発する |
鶏糞使用の判断
米ぬかを使って「そうか病」対策をしているにもかかわらず、鶏糞を施用することでpHが上昇し、かえってそうか病を誘発してしまっては本末転倒です。土壌のpHを正確に測定し、酸性に傾きすぎている場合(pH5.0未満など)を除き、じゃがいも栽培での鶏糞の積極的な使用は控えるか、ごく少量に留めるのが賢明です。
苦土石灰は原則不要な理由

日本の畑は酸性雨の影響で酸性に傾きやすいため、多くの野菜作りでは植え付け前に苦土石灰(マグネシウムとカルシウム)を撒いてpHを中和(アルカリ性に調整)するのがセオリーです。しかし、じゃがいも栽培において、このセオリーは当てはまりません。
苦土石灰は、じゃがいも栽培では原則として「不要」です。その理由は、鶏糞と同じく、主成分の炭酸カルシウムが土壌をアルカリ性に傾けてしまい、そうか病の発生を爆発的に助長するためです。
苦土(マグネシウム)自体はじゃがいもの生育にも必要な要素ですが、pHを上げるリスクを冒してまで苦土石灰で補う必要は通常ありません。
他の野菜(ホウレンソウやタマネギ、ネギ類など、アルカリ性を好む野菜)を育てた後の畑に、同じ感覚で苦土石灰を撒いてからじゃがいもを植えると、そうか病だらけになって失敗するケースが非常に多いので注意しましょう。
例外として、測定した土壌pHが「5.0未満」など、極端に酸性に傾いている場合にのみ、pH調整のためにごく少量(1㎡あたり50g程度、ひとつかみ程度)を施すこともありますが、これはあくまで例外的な処置です。基本的には「じゃがいもに石灰は入れない」と覚えておくのが最も安全です。
じゃがいもに適した土壌pHとは

なぜ鶏糞や苦土石灰にこれほど注意が必要なのか。それは、じゃがいもが好む土壌の酸性度(pH)が他の野菜と大きく異なるためです。
多くの野菜が弱酸性〜中性(pH6.0〜7.0)を好むのに対し、じゃがいもはそれよりも酸性が強い「やや酸性」(pH5.0〜6.0)の土壌を最も好みます。このpHの範囲であれば、じゃがいもは生育が良く、そうか病菌の活動も抑えられるためです。これは多くの農業指導機関や種苗メーカーも推奨する共通の知見です。(参考:JA全農「じゃがいもの栽培」)
もし土壌のpHが6.5以上の中性〜アルカリ性に傾いてしまうと、じゃがいも自体は育ちますが、そうか病菌が一気に活発化し、皮のきれいなじゃがいもを収穫することが非常に難しくなります。
じゃがいも栽培の鉄則「pH管理」
- 最適pH: やや酸性の「pH5.0 〜 6.0」
- 危険pH: 中性〜アルカリ性(pH6.5以上)はそうか病のリスク大
※米ぬかがそうか病に効く理由の一つとして、分解過程で有機酸が生成され、土壌が一時的により酸性に傾くことも関係していると考えられています。アルカリ性資材の投入は、この米ぬかの効果をも打ち消してしまいます。
米ぬかを元肥にした場合の「追肥」の選択肢

米ぬかを元肥(土づくり)として使用した場合、「追肥(生育の途中で追加する肥料)」はどうすればよいか悩みます。じゃがいもは生育途中で2回程度の追肥と土寄せを行うのが一般的です(1回目:芽かき後、2回目:つぼみが見え始めた頃)。
前述の通り、「生の米ぬか」を追肥として地表に撒くのは、虫やカビの原因となるため厳禁です。
米ぬかはリン酸やカリウムは含みますが、生育初期に必要な「窒素」は分解過程で微生物に使われてしまう(窒素飢餓)か、そもそも量が不足しがちです。そのため、追肥では葉や茎をしっかり育てるための「窒素」を補う必要があります。
追肥の選択肢とタイミング
1. 化成肥料(手軽で確実) 最も手軽なのは、N-P-K(窒素-リン酸-カリ)のバランスが取れた化成肥料(例:8-8-8など)を使う方法です。即効性があり、確実に窒素を補給できます。
- ・タイミング:1回目(芽かき・土寄せ時)と2回目(つぼみ・土寄せ時)
- ・施用量:1株あたり、ひとつまみ(約5〜10g)程度を株間にパラパラと撒き、土寄せの土と軽く混ぜ込む。
2. 有機肥料(ぼかし肥料など) 元肥に米ぬかを使った流れで、追肥も有機質にこだわりたい場合は、発酵済みの「米ぬかぼかし肥料」や「発酵油かす」などを使用します。これらは窒素分も適度に含み、ゆっくりと効きます。
- ・タイミング:化成肥料と同様。
- ・施用量:1株あたり、軽くひとつかみ(約20〜30g)程度。
- ・注意点:ぼかし肥料も地表に置くと虫が寄る可能性がゼロではないため、必ず土寄せの際に土としっかり混ぜ込むように施用するのが安全です。
じゃがいもと米ぬかに関するQ&A
最後に、じゃがいも栽培と米ぬかに関してよく寄せられる質問や疑問について、Q&A形式でまとめました。
Q. 米ぬかはどこで手に入りますか?鮮度も関係ありますか?
A. コイン精米所(無料で持ち帰れることが多いですが、無断で持ち去らず管理者に確認しましょう)、お近くの米屋さん、JA(農協)、ホームセンター、またはインターネット通販などで購入できます。 鮮度は非常に重要です。
米ぬかは脂肪分が多いため、古くなると酸化してしまい、肥料やぼかし肥料の材料として十分な効果を発揮できないことがあります。なるべく精米したての新鮮なものを入手してください。
Q. 米ぬかを撒いたら虫が湧いてしまいました。対策は?
A. 一度発生してしまうと完全な駆除は難しいですが、まずは地表に残っている米ぬかの塊を土としっかり混ぜ込む(耕し直す)ことが基本です。あまりに大量発生した場合は、一度掘り起こして土を乾燥させたり、薬剤(不快害虫用の殺虫剤など)を使用したりする必要があるかもしれません。(参考:農林水産省:農薬の適正な使用について)
予防策としては、施用時に木酢液の希釈液を一緒に撒いておくと、害虫忌避の効果が期待できる場合があります。根本的な対策は、やはり「2〜3週間前に」「深く混ぜる」というルールを徹底することです。
Q. 米ぬかだけで、他の肥料は一切なしでも育ちますか?
A. 育ちますが、大きなイモをたくさん収穫するのは難しい可能性が高いです。米ぬかだけでは、特に「窒素」の量が不足しがちで、初期生育が遅れたり、葉が黄色くなったりすることがあります。
米ぬかはあくまで「土壌改良材」兼「リン酸・カリウム補給材」と考え、牛ふん堆肥や腐葉土(これらも土壌改良材)、あるいは追肥で解説したような窒素分を補う肥料(化成肥料やぼかし肥料)と組み合わせて使うことを強くおすすめします。
総括:じゃがいも肥料と米ぬかの適正利用
じゃがいも栽培における米ぬかの利用について、そのメリットとデメリット、具体的な使い方を解説してきました。最後に、この記事の要点をリストでまとめます。
- じゃがいも栽培に米ぬかは非常に有効な資材
- 最大のメリットは「そうか病」の抑制効果
- 微生物の働きで土がふかふかになる土壌改良効果も高い
- 米ぬかを施すタイミングは植え付けの2~3週間前が鉄則
- 土と深く均一に混ぜ込むことが失敗しないコツ
- 生の米ぬかにはデメリットもある
- 地表に残すと虫やカビ、害獣の原因になる
- 植え付け直前の使用は発酵熱で種イモが腐る
- 窒素飢餓による初期生育不良のリスクもある
- 生の米ぬかが不安なら発酵済みの「ぼかし肥料」が安全
- 鶏糞はpHをアルカリ性に傾けるため併用は非推奨
- 苦土石灰はそうか病を助長するため原則不要
- じゃがいもが好む土壌は「やや酸性」(pH5.0~6.0)
- 生の米ぬかを追肥として使うのはNG
- 追肥には「米ぬかぼかし肥料」を使用する
- 正しい知識で米ぬかを活用し、病気のないじゃがいもを育てましょう

