じゃがいもの芽が出たらどこまで処理?安全な取り方と基準

じゃがいもの芽が出たらどこまで取る?安全な処理法と捨てる基準 食材

料理に使おうとしたじゃがいもに芽が出ていて、困った経験はありませんか。じゃがいもの芽には毒があると聞くけれど、安全に食べるにはどう処理すればよいか、食中毒にならないか不安になりますよね。

また、どの程度までなら食べられて、どこからが捨てるべきラインなのか、判断に迷うことも多いでしょう。

この記事では、芽が出たじゃがいもを安全に扱うための、具体的な処理方法と捨てる基準について詳しく解説します。

  • じゃがいもの芽に含まれる毒素の危険性
  • 安全な芽の取り方と処理の境界線
  • 食べるべきでない危険なじゃがいもの見分け方
  • 芽の発生を防ぐための正しい保存方法

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じゃがいもの芽が出たらどこまでが危険?

じゃがいもの芽には、天然の毒素が含まれています。安全に食べるためには、まず「何が危険なのか」そして「どこまで取り除けばよいのか」を正確に知ることが重要です。ここでは、芽の危険性と安全な処理の境界線について解説します。

芽に含まれる毒素ソラニンとは

芽に含まれる毒素ソラニンとは

じゃがいもの芽や、光に当たって緑色になった皮の部分には、「ソラニン」や「チャコニン」といった天然毒素(グリコアルカロイド)が含まれています。

これらは、じゃがいもが自身を守るために生成する成分です。しかし、人間が一定量以上摂取すると、食中毒の原因となる可能性があります。 (参考:厚生労働省:自然毒のリスクプロファイル:高等植物:ジャガイモ) 

食中毒の主な症状

ソラニンやチャコニンによる食中毒の症状には、吐き気、嘔吐(おうと)、腹痛、下痢、頭痛、めまいなどがあると報告されています。症状が出るまでの時間は食後30分から半日程度と幅がありますが、万が一、じゃがいもを食べた後に体調不良を感じた場合は、速やかに医療機関を受診してください。

特に、芽の根元(付け根)にこれらの毒素が最も多く蓄積されるとされています。そのため、処理の際は芽だけを取り除くのではなく、根元周辺ごと除去することが不可欠です。

毒素は加熱調理しても消えない

じゃがいもの芽に含まれるソラニンやチャコニンに関して、最も注意すべき点の一つが「加熱に強い」という性質です。

「しっかり火を通せば毒は消えるのでは?」と考えるかもしれませんが、これらの毒素は、揚げる・焼く・茹でるといった通常の調理温度(170℃~280℃程度)では分解されません。

つまり、芽が出た部分や緑色の部分を残したまま調理しても、食中毒のリスクは減らないということです。「加熱するから大丈夫」という油断は禁物です。調理前の下ごしらえの段階で、危険な部分を物理的に完全に取り除く必要があります。

芽の根元から深くえぐり取る理由

芽の根元から深くえぐり取る理由

前述の通り、毒素は芽そのものよりも、これから芽が成長しようとする「芽の根元(付け根)」に集中しています。

指で芽をポキッと折ったり、包丁の先で芽だけを浅く取ったりするだけでは、最も危険な毒素の集中部分が芋本体に残ってしまいます。これでは、安全に処理したことにはなりません。

安全な処理のポイント

安全を確保するためには、芽の周辺にある芋の部分も含めて、「深くえぐり取る」ことが鉄則です。毒素が芋の内部に広がっている可能性も考慮し、根元の周囲を余裕をもって除去してください。

見た目には芽が小さくても、その下には毒素が溜まっていると意識し、徹底して取り除くことが食中毒予防につながります。

包丁やピーラーでの安全な取り方

じゃがいもの芽を安全に取り除くには、適切な道具を使って根元から確実に取り除く必要があります。具体的な方法を見ていきましょう。

包丁(刃元)を使う方法

  1. じゃがいもを安定した場所に置きます。
  2. 包丁の角(刃元、アゴとも呼ばれる柄に近い部分)を、芽の根元の斜め横に突き刺します。
  3. 包丁をコンパスのように回転させ、円錐形(すい形)にくり抜くイメージで芽の根元ごとえぐり取ります。

ピーラー(芽取り)を使う方法

多くのピーラー(皮むき器)には、横に「U字型」や「突起状」の「芽取り」と呼ばれる機能が付いています。これを使うと簡単かつ安全に処理できます。

  1. ピーラーの芽取り部分を、芽の根元に当てます。
  2. 力を入れてグッと押し込み、えぐるようにして芽の根元ごと取り除きます。
  3. 一度で取り切れない場合は、角度を変えて数回繰り返し、根元が残らないようにします。

どちらの方法でも、取り除いた穴の断面を見て、黒ずみや変色した部分が残っていないか確認しましょう。少しでも残っている場合は、完全になくなるまで再度えぐり取ってください。

芽が長く伸びた芋は危険か

芽が長く伸びた芋は危険か

芽が数ミリ程度ではなく、1cm以上に長く伸びてしまっているじゃがいもは、それだけ発芽(成長)にエネルギーを使っている状態です。

芽が長く伸びているということは、芋本体の栄養素が芽に移行し、芋の水分が失われている可能性が高いことを示しています。これにより、芋本体がしなびてきたり、柔らかくなったりすることがあります。

また、芽が長く多いほど、毒素が芋全体に広がっているリスクも高まると考えられます。芽を深く取り除いたとしても、芋本体の食感や風味が著しく落ちている場合が多いため、食べるのは避けるか、慎重に判断することを推奨します。

じゃがいもの芽が出たらどれどこまで捨てる?

「もったいない」という気持ちと「安全」の間で、捨てるべきかどうかの判断は非常に悩ましい問題です。ここでは、食べずに廃棄すべき「危険なじゃがいも」の具体的な見分け方と、そうならないための保存方法、そしてもし食べる場合の活用法について解説します。

捨てるべき危険なじゃがいもの判断基準

捨てるべき危険なじゃがいもの判断基準

芽が出ていることに加え、以下のような状態が複数見られる場合は、食中毒のリスクや食味の低下を考慮し、勇気を持って廃棄を判断してください。

安全に食べられるか、捨てるべきかの判断基準を表にまとめます。

状態 食べられる(要・徹底処理) 捨てるべき(非推奨)
芽の状態 芽が数ミリ程度で、数が少ない 芽が1cm以上に長く伸びている 芋全体にびっしり芽が出ている
皮の状態 (※緑色については別記事で解説) (※緑色については別記事で解説)
芋の状態 硬く、ハリがある しわしわで水分が抜けている ブヨブヨと柔らかい
その他 特になし 中(実)まで変色している カビ臭い、腐敗臭がする

特に「芋全体に芽が出ている」状態や、「しなびている」状態は、毒素が広範囲に及んでいるか、品質が著しく低下しているサインです。無理に食べるのは避けましょう。(参考:東京都保健医療局:ジャガイモによる食中毒に注意

芋がしなびている・柔らかい場合

芋がしなびている・柔らかい場合

じゃがいもを触ったときに、新鮮なハリがなく、皮がシワシワになっていたり、指で押すとブヨブヨとへこむような柔らかさを感じたりする場合、それは芋の水分と栄養が失われている証拠です。

これは、芽が成長するために芋本体の養分を大量に使ってしまった結果です。このようなじゃがいもは、たとえ芽を完全に取り除いたとしても、調理した際の食感(パサパサ、スカスカ)や風味が格段に落ちてしまいます。

安全性ももちろんですが、単純に「美味しくない」状態になっている可能性が非常に高いです。食中毒のリスクと味の両面から、食べるのは推奨できません。

芽が出た芋の味とおすすめ活用法

芽が出た芋の味とおすすめ活用法

芽をしっかり取り除いたものの、「この芋、美味しいのかな?」と不安になるかもしれません。結論から言うと、芽が出たじゃがいもは、味が落ちている可能性が高いです。

芽に栄養と水分が奪われているため、芋本来の風味や甘みが薄れ、食感もパサパサしがちです。そのため、じゃがバターやフライドポテトのように、芋の味をそのまま楽しむ料理には向きません。

味が落ちた芋のおすすめ調理法

風味が落ちた芋でも、調理法を工夫すれば美味しく活用できます。

  • カレーやシチュー: 煮込むことで食感が柔らかくなり、ルーの濃い味で芋の風味の低下をカバーできます。
  • マッシュポテト・コロッケ: 芋を潰して使うため、パサつきが気になりにくくなります。牛乳やバターを加えることで、失われた風味やコクを補えます。
  • ポタージュ: スープにしてしまえば、食感の違いはほとんど問題になりません。

このように、芋の味を活かすのではなく、濃い味付けでカバーしたり、食感を潰したりする料理に使うのがおすすめです。

家庭菜園の小さい芋は特に注意

家庭菜園の小さい芋は特に注意

家庭菜園やベランダ菜園で収穫したじゃがいもは、特に注意が必要です。

市販されているじゃがいもと異なり、家庭で栽培されたものは、未熟な状態(小さい芋)で収穫されることがあります。未熟で小さな芋は、成熟した芋に比べて、体積あたりのソラニン類の濃度が高くなる傾向があるとされています。 (参考:農林水産省:食品中の天然毒素「ソラニン」や「チャコニン」に関する情報

また、収穫時に土が十分に寄せられておらず、芋が日光に当たって緑化しているケースも多く見られます。芽が出ていなかったとしても、緑色の部分がないか、芋が極端に小さくないかをよく確認し、処理は市販品以上に慎重に行ってください。

小さなお子さんがいるご家庭では、家庭菜園の芋を扱う際は、特に緑色の部分や芽の処理を徹底し、皮は厚くむくことを心がけてください。

芽を出さないための正しい保存方法

芽を出さないための正しい保存方法

じゃがいもの芽は、特定の条件下で発生しやすくなります。芽の発生(発芽)を防ぐには、その条件を避けることが最も効果的です。

じゃがいもが発芽しやすい条件は以下の通りです。

  • 光(日光や蛍光灯)が当たる
  • 温度が高い(特に15℃~20℃程度)

スーパーなどでは常温で売られているため、家庭でもキッチンカウンターやシンク下(温度がこもりやすい)にそのまま置いてしまいがちですが、これでは発芽しやすい環境と言えます。

光を遮断する冷暗所での保存が基本

じゃがいもの芽の発生と緑化を防ぐための、最も基本的で重要な保存方法は「光に当てない(遮光)」ことと「涼しい場所(冷暗所)に置く」ことです。

じゃがいもの理想的な保存方法

  1. じゃがいもを(洗わずに)土がついたまま、通気性の良いカゴや麻袋、穴を開けたポリ袋などに入れます。
  2. 光が一切入らない、風通しの良い冷暗所(例:北向きの玄関、床下収納、パントリーなど)で保存します。
  3. 新聞紙や紙袋で包んでから保存袋に入れると、遮光と湿気対策に効果的です。

冷蔵庫での保存は?

冷蔵庫(特にチルド室など低温すぎる場所)で長期間保存すると、じゃがいものデンプンが糖に変わり、揚げ物などで焦げやすくなったり、食感が変わったりすることがあるため、基本的には推奨されていません。ただし、夏場などでどうしても冷暗所がない場合に限り、野菜室(冷蔵庫内では比較的高温)で、光が当たらないよう新聞紙などに包んで短期的に保存する方法もあります。

【Q&A】芽に関するよくある疑問

最後に、じゃがいもの芽に関して多くの方が抱く疑問にお答えします。

Q. りんごと一緒に保存すると芽が出ない?

A. りんごが放出する「エチレンガス」には、じゃがいもの発芽を抑制する効果があるとされています。そのため、じゃがいもとりんごを一緒に紙袋などに入れて保存するのは、発芽防止策として期待できます。 ただし、効果は絶対ではありません。エチレンガスの効果以上に、光を当てないこと、高温多湿を避けることが保存の基本です。

Q. 芽が出た芋を植えたら育つ?

A. 芽が出た部分を切り取り、土に植えれば育つ可能性はあります。しかし、私たちが普段食べている食用のじゃがいもは、ウイルスや病気を持っている可能性があります(食べても人体に影響はありません)。そのような芋を「種イモ」として使うと、土壌に病気が広まったり、うまく育たなかったりするリスクがあるため、家庭菜園用としては推奨されません。

Q. 芽(茎)そのものは食べられますか?

A. 絶対に食べてはいけません。 芽や、長く伸びた茎は、まさに毒素ソラニンの「塊」です。これらを食べると、少量でも食中毒を引き起こす可能性があり非常に危険です。調理の際は、前述の通り根元から完全に取り除き、芽や茎そのものは必ず廃棄してください。

じゃがいもの芽が出たらどこまでか判断:まとめ

最後に、この記事の要点をリストでまとめます。芽が出たじゃがいもに遭遇した際は、これらのポイントを思い出して冷静に判断してください。

  • じゃがいもの芽や緑色の皮にはソラニンという毒素がある
  • ソラニンは加熱(茹でる・焼く・揚げる)しても分解されない
  • 芽の処理は指でちぎるだけでは不十分
  • 毒素は芽の「根元(付け根)」に最も多く含まれる
  • 芽は根元ごと深くえぐり取る必要がある
  • 処理には包丁の角やピーラーの芽取りが便利
  • 芽が長く(1cm以上)伸びた芋は注意が必要
  • 芋全体に芽がびっしり出ているものは捨てる
  • 皮がシワシワで水分がない芋も捨てる
  • ブヨブヨと柔らかい芋も食べない
  • 芽が出た芋は味が落ちている可能性が高い
  • カレーやコロッケなど味の濃い料理に活用する
  • 家庭菜園の未熟な小さい芋は特に毒素に注意する
  • 芽を防ぐには「光」と「高温」を避ける
  • 保存は土付きのまま光を遮断する
  • 最適な保存場所は風通しの良い冷暗所
  • りんごとの保存は発芽抑制が期待できる
  • 芽そのものは毒の塊なので絶対に食べない
  • 判断に迷ったら安全を最優先し廃棄する
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