「さつまいもは体に良いと聞くけれど、毎日食べ続けた結果、具体的にどんな変化があるのだろう?」と疑問に思っていませんか。
さつまいもを食べ続けることには、頑固な便秘解消を助ける食物繊維とヤラピンの力や、肌の調子が格段にアップする栄養素が豊富に含まれているといった、期待できる良い変化がたくさんあります。
一方で、「さつまいもは太る」という噂も耳にするため、食べ過ぎが招く3つのデメリットには注意が必要です。
この記事では、さつまいもが持つ5つのすごい健康効果とは何か、そしてカリウムがもたらすむくみ解消の秘密や、なぜ痩せるのかというダイエットを導く3つの理由について詳しく解説します。
さらに、1日の適量は毎日食べるなら何グラムが適切か、効果を最大化するさつまいもの賢い食べ方、知っておきたい効果が半減するNGな食べ方まで、さつまいもを食べ続けた結果を賢く得るコツを網羅的にご紹介します。
- さつまいもを続けることで期待できるメリット
- 知っておくべきデメリットと注意点
- 効果を最大化するための賢い食べ方
- 1日に食べて良い適正な量
さつまいもを食べ続けた結果に期待できる良い変化
- さつまいもが持つ5つのすごい健康効果とは
- 頑固な便秘解消は食物繊維とヤラピンの力
- 肌の調子が格段にアップする栄養素も豊富
- カリウムがもたらすむくみ解消の秘密
- なぜ痩せる?ダイエットを導く3つの理由
さつまいもが持つ5つのすごい健康効果とは
さつまいもは、ただ美味しいだけでなく、私たちの体に多くの良い影響をもたらすスーパーフードとも呼べる食材です。日常的に食べることで、様々な健康効果が期待できます。その理由は、さつまいもに含まれる栄養素の豊富さとバランスの良さにあります。
主に、さつまいもには以下の5つの健康効果があると考えられています。
- 腸内環境の改善効果
- 美肌・アンチエイジング効果
- むくみの解消効果
- 生活習慣病の予防効果
- ダイエットのサポート効果
これらの効果は、さつまいもに含まれる食物繊維、ビタミンC・E、カリウム、ポリフェノール(クロロゲン酸)、ヤラピンといった栄養素が複合的に働くことによってもたらされます。
特に、加熱しても壊れにくいビタミンCや、さつまいも特有の成分であるヤラピンは、他の食材ではなかなか摂取しにくい貴重な栄養素です。
このように、さつまいもを食生活に取り入れることは、内側から体を整え、健康的な毎日を送るための強力なサポートとなるのです。
ポイントまとめ
さつまいもは、腸活、美肌、むくみ解消、ダイエットサポートなど、多岐にわたる健康効果が期待できる栄養豊富な食材です。これらの効果は、豊富な栄養素がバランス良く含まれていることによるものです。
頑固な便秘解消は食物繊維とヤラピンの力
さつまいもが「腸活に良い」と言われる最大の理由は、豊富な食物繊維と、さつまいも特有の成分であるヤラピンの相乗効果にあります。長年、頑固な便秘に悩んでいる方にとって、さつまいもは救世主となるかもしれません。
2種類の食物繊維が腸を整える
食物繊維には、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があり、さつまいもにはこの両方がバランス良く含まれています。
- 不溶性食物繊維:水分を吸収して便のかさを増やし、腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にします。これにより、便がスムーズに排出されやすくなります。
- 水溶性食物繊維:水に溶けてゲル状になり、便を柔らかくして滑りを良くします。また、腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きもあります。
この2つの食物繊維が協力して働くことで、便秘の根本的な原因にアプローチし、自然なお通じをサポートしてくれるのです。
さつまいもだけの特有成分「ヤラピン」
さつまいもを切ったときに出てくる白い液体、これが「ヤラピン」です。ヤラピンはさつまいもの皮の近くに多く含まれており、胃の粘膜を保護したり、腸の動きを促進したりする効果があるとされています。
食物繊維との相乗効果で、お通じをさらにスムーズにしてくれる、まさに縁の下の力持ちのような存在です(参考:日本いも類研究会:さつまいもの栄養と食文化)。
豆知識:ヤラピンを効率的に摂るには?
ヤラピンは皮の近くに豊富に含まれているため、さつまいもは皮ごと食べるのが最も効果的です。よく洗ってから調理することで、貴重な栄養を無駄なく摂取できます。
肌の調子が格段にアップする栄養素も豊富
さつまいもを食べ続けることで期待できる嬉しい変化の一つに、肌質の改善があります。シミやシワ、肌荒れといった肌トラブルの原因となる「活性酸素」から肌を守る、抗酸化作用の強い栄養素が豊富に含まれているからです。
特に注目したいのが、以下の3つの栄養素です。
- ビタミンC:シミの原因となるメラニン色素の生成を抑えたり、肌のハリを保つコラーゲンの生成を助けたりする働きがあります。一般的にビタミンCは熱に弱いとされますが、さつまいものビタミンCはデンプンに守られているため、加熱しても壊れにくいという大きな特長があります。
- ビタミンE:「若返りのビタミン」とも呼ばれ、強い抗酸化作用で細胞の酸化を防ぎ、血行を促進する効果が期待できます。肌のターンオーバーを整え、くすみのない健康的な肌へ導きます。
- β-カロテン:体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康を維持する働きをします。こちらも強い抗酸化作用を持ち、肌の老化を防ぐのに役立ちます。
これらの栄養素が総合的に働くことで、内側から紫外線ダメージに強い肌を作り、シミやシワ、乾燥といった肌トラブルの予防・改善につながります。ファンデーションのノリが良くなるなど、日々のスキンケア効果を実感しやすくなるでしょう。
「リンゴの7倍」とも言われるさつまいものビタミンC含有量!焼き芋やふかし芋など、温かい調理法でもしっかり栄養が摂れるのは嬉しいポイントですね。
(参考:厚生労働省:e-ヘルスネット)
カリウムがもたらすむくみ解消の秘密
夕方になると足がパンパンになる、朝起きると顔がむくんでいる…そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。その原因の一つは、塩分(ナトリウム)の摂りすぎかもしれません。さつまいもには、この余分なナトリウムを体外へ排出するのを助ける「カリウム」が豊富に含まれています。
カリウムは、体内の水分バランスを調整する重要なミネラルです。塩分を摂りすぎると、体は塩分濃度を薄めようとして水分を溜め込み、これが「むくみ」として現れます。
カリウムは、腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制し、尿としての排出を促す働きがあります。つまり、体内の「蛇口」を調整して、不要な塩分と水分を外に出してくれるイメージです。
公的機関の情報によると、生のさつまいも100gあたりには470mgほどのカリウムが含まれているとされています。これは、カリウムが豊富とされるバナナよりも多い量であり、精白米と比較すると5倍以上にもなります。
こんな人におすすめ!
ラーメンや外食など、塩分の多い食事が好きな方や、加工食品をよく食べる方は特にナトリウム過多になりがちです。食生活にさつまいもを取り入れることで、むくみを予防し、見た目も体もスッキリさせる効果が期待できます。
むくみが解消されると、フェイスラインや足のラインがスッキリするだけでなく、血圧の安定にもつながるため、健康維持の観点からも非常に重要です。
なぜ痩せる?ダイエットを導く3つの理由
「さつまいもは甘いから太りそう」というイメージを持つ方もいますが、実は食べ方を工夫すれば、ダイエットの強力な味方になります。さつまいもがダイエットを成功に導く理由は、主に以下の3つです。
理由①:血糖値の上昇が緩やかな「低GI食品」
GI(グリセミック・インデックス)とは、食後の血糖値の上昇度合いを示す指標です。GI値が高い食品ほど血糖値が急上昇しやすく、インスリンが多く分泌されて脂肪を溜め込みやすくなります。さつまいもは、ご飯やパンに比べてGI値が低いため、血糖値の上昇が緩やかで、脂肪がつきにくいという特長があります(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット:炭水化物)。
理由②:満足感が長持ちする「腹持ちの良さ」
前述の通り、さつまいもには豊富な食物繊維が含まれています。食物繊維は消化に時間がかかるため、満腹感が長時間持続します。朝食や昼食にさつまいもを取り入れることで、次の食事までの無駄な間食を防ぐ効果が期待できるでしょう。少量でも満足感を得やすいため、自然と全体の食事量をコントロールすることにもつながります。
理由③:注目の成分「レジスタントスターチ」
レジスタントスターチとは、「消化されにくい(レジスタント)デンプン(スターチ)」のことです。食物繊維と似た働きをし、小腸で消化されずに大腸まで届きます。この成分には、血糖値の急上昇を抑える、腸内環境を整える、満腹感を持続させるといった効果があるとされています。
そして、このレジスタントスターチは、一度加熱したさつまいもを冷やすことで量が増えるという面白い性質を持っています。ダイエット効果をより高めたい場合は、冷やし焼き芋やサラダにして食べるのがおすすめです。
さつまいもを食べ続けた結果の注意点と対策
- 食べ過ぎが招く3つのデメリットに注意
- 「さつまいもは太る」は本当か?
- 1日の適量は?毎日食べるなら何グラム?
- 効果を最大化するさつまいもの賢い食べ方
- 知っておきたい効果が半減するNGな食べ方
食べ過ぎが招く3つのデメリットに注意
体に良い効果がたくさんあるさつまいもですが、どんな食材でも「食べ過ぎ」は禁物です。良かれと思って食べた結果、かえって体に不調をきたす可能性もあります。さつまいもを食べ過ぎた場合に考えられる、主な3つのデメリットを理解しておきましょう。
- 体重増加のリスク:さつまいもは野菜の中ではカロリー・糖質が高めです。ご飯やパンの代わりに食べる「置き換え」であればダイエット効果が期待できますが、普段の食事にプラスして食べ過ぎれば、当然カロリーオーバーとなり太る原因になります。
- お腹の不調(腹部膨満・下痢):豊富な食物繊維は便秘解消の味方ですが、一度に大量に摂りすぎると、腸内でガスが発生しやすくなり、お腹が張ったり、おならが増えたりすることがあります。また、腸が過敏な方や、普段あまり食物繊維を摂らない方が急にたくさん食べると、下痢を引き起こす可能性もあります。
- 栄養の偏り:さつまいもは栄養豊富ですが、それだけですべての栄養素が補えるわけではありません。特に、タンパク質や脂質は不足しがちです。さつまいもばかりを食べるような極端な食生活は、栄養バランスを崩し、健康を損なう原因となるため注意が必要です。
注意点
体に良いからといって、さつまいもを無制限に食べるのは避けましょう。特に、ダイエット目的で始める場合は、カロリーオーバーにならないよう全体の食事バランスを考えることが重要です。
「さつまいもは太る」は本当か?
結論から言うと、「さつまいもは太る」というのは、食べ方次第で本当にも嘘にもなります。さつまいも自体が直接的に太る原因なのではなく、そのカロリーや糖質の量を考えずに食べてしまうことが問題なのです。
他の主食と比較してみると、その立ち位置がよくわかります。
食品(100gあたり) | カロリー | 糖質量 |
---|---|---|
さつまいも(蒸し) | 約131 kcal | 約29.2 g |
白米(ごはん) | 約156 kcal | 約35.6 g |
食パン(6枚切り1枚約60g換算) | 約149 kcal | 約26.6 g |
※数値は「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考にしています。調理法や品種により変動します(参考:文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂))。
表を見ると、さつまいもは白米に比べてカロリー・糖質ともに低いことがわかります。つまり、いつもの白米をさつまいもに置き換えれば、摂取カロリーと糖質を抑えることができるのです。これが、さつまいもがダイエットに効果的と言われる理由です。
太る食べ方の典型例
一方で、食後のデザートとしてバターをたっぷり塗った焼き芋を食べたり、間食として大学芋をたくさん食べたりすれば、カロリーと脂質、糖質の摂りすぎで太る原因になります。さつまいもを「主食の代わり」と捉えるか、「お菓子」と捉えるかで、結果は大きく変わってくるのです。
1日の適量は?毎日食べるなら何グラム?
さつまいもを毎日食べ続ける場合、健康効果を得つつ太らないようにするためには、1日の摂取量を守ることが非常に重要です。明確な定義はありませんが、一般的には以下の量が目安とされています。
1日の適量は、中くらいサイズ(約200g)のさつまいも1/2本〜1本、重量にして約100g〜200g程度がおすすめです。
この量は、おおよそ130kcal〜260kcalに相当し、食事バランスガイドで推奨されている間食の目安(200kcal)にも近い数値です(参考:農林水産省:「食事バランスガイド」について)。ただし、この量をどのように食事に取り入れるかによって、考え方が少し変わります。
主食と置き換える場合
朝食や昼食のご飯(お茶碗1杯約150g)の代わりに、150g〜200gのさつまいもを食べるのが良いでしょう。カロリーを抑えつつ、食物繊維やビタミンを豊富に摂取できます。
間食として食べる場合
おやつとして食べるなら、100g程度(中サイズの1/2本)に留めておくのが賢明です。市販の焼き芋は1本が大きい場合が多いので、半分に分けて食べるなどの工夫をしましょう。
まずは1日100gから始めてみて、ご自身のお腹の調子や体調を見ながら調整するのがおすすめです。自分の体と相談しながら、最適な量を見つけていきましょう!
どんなに体に良いものでも、適量を守ることが健康への一番の近道です。さつまいもの美味しさに夢中になっても、この目安量を意識してみてください。
効果を最大化するさつまいもの賢い食べ方
さつまいもが持つ健康や美容への効果を最大限に引き出すためには、少しの工夫が重要です。ここでは、栄養を無駄なく摂り、ダイエット効果も高める「賢い食べ方」を3つのポイントでご紹介します。
ポイント①:皮ごと食べる
さつまいもの皮には、食物繊維やポリフェノール、そして便通を助ける特有成分「ヤラピン」が豊富に含まれています。皮をむいてしまうと、これらの貴重な栄養素を捨ててしまうことになります。よく洗って、ぜひ皮ごと調理して食べる習慣をつけましょう。皮の香ばしさや食感も、美味しさのアクセントになります。
ポイント②:冷やして食べる
ダイエット効果を特に高めたい方におすすめなのが、「冷やし焼き芋」です。前述の通り、さつまいもは一度加熱した後に冷やすことで、消化されにくいデンプン「レジスタントスターチ」が増加します。レジスタントスターチは、血糖値の上昇を緩やかにしたり、満腹感を持続させたりする効果が期待できるため、ダイエットの強い味方になります。作り置きしておいて、翌日に冷たいまま食べるのも良い方法です。
ポイント③:調理法を選ぶ
さつまいもの調理法は様々ですが、最もヘルシーなのは「蒸す」または「茹でる」方法です。油を使わないため、余分なカロリーを抑えられます。 「焼き芋」は甘みが最大限に引き出されて美味しいですが、水分が飛んで糖分が凝縮されるため、蒸し芋に比べてGI値がやや高くなる傾向があります。食べる量には少し注意すると良いでしょう。
賢い食べ方まとめ
- 栄養満点の皮はむかずに食べる
- ダイエット目的なら冷やして食べる
- 調理法は「蒸す」「茹でる」が基本
知っておきたい効果が半減するNGな食べ方
せっかくさつまいもを食べるなら、その健康効果を台無しにするような食べ方は避けたいものです。ここでは、特に注意したい「NGな食べ方」を3つご紹介します。これらを避けるだけで、さつまいもの恩恵をより多く受けられるようになります。
NG①:油と砂糖で調理する
大学芋や天ぷら、スイートポテトなど、油で揚げたり、大量の砂糖やバターを使ったりする調理法は、せっかくのさつまいもの健康効果を半減させてしまいます。
脂質と糖質を過剰に摂取することになり、カロリーも一気に跳ね上がります。これでは、ダイエットどころか太る原因になってしまうため、日常的に食べるのは避け、たまのご褒美程度にしましょう。
NG②:夜遅くに食べる
さつまいもは糖質を多く含む食材です。夜は活動量が減り、エネルギー消費も少なくなるため、夜遅くに食べた糖質は脂肪として蓄積されやすくなります。
また、消化にも時間がかかるため、胃腸に負担をかけ、睡眠の質を低下させる可能性もあります。さつまいもは、エネルギーとして消費されやすい朝や昼の時間帯に食べるのが最も効果的です。
NG③:さつまいも「だけ」を食べる
栄養豊富なさつまいもですが、タンパク質や一部のビタミン・ミネラルは不足しています。さつまいもだけで食事を済ませるような極端な食生活は、栄養失調や筋肉量の低下を招く恐れがあります。
鶏肉や魚、大豆製品、他の野菜などと組み合わせて、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
特に注意!
美味しさの誘惑に負けて、油や砂糖をたっぷり使った調理法を選んでしまうと、健康目的で始めたさつまいも生活が逆効果になることも。調理法と食べる時間帯には十分注意しましょう。
さつまいもを食べ続けた結果を賢く得るコツ
ここまで、さつまいもを食べ続けた結果に期待できる良い変化と、注意すべき点について解説してきました。最後に、これらの情報を踏まえ、さつまいもと上手に付き合い、その効果を賢く得るためのコツをまとめます。
- まずは1日の適量を守る
- 朝食や昼食の主食と置き換えるのが基本
- 皮ごと調理して栄養を丸ごといただく
- ダイエット効果を高めるなら冷やして食べる
- 調理法は蒸すか茹でるのが最もヘルシー
- 油や砂糖を使った調理はたまのご褒美にする
- 夜遅くに食べるのは避ける
- さつまいもだけでなく他の食材もバランス良く食べる
- 食物繊維に慣れるため少量から始める
- お腹が張る場合は水分をしっかり摂る
- 様々な品種を試して飽きない工夫をする
- 冷凍焼き芋などを活用して手軽に続ける
- 体調の変化を観察しながら自分に合う量を見つける
- 焦らず気長に続けることが最も重要
- さつまいも生活を楽しむ気持ちを忘れない