じゃがいもの収穫時期は葉っぱが枯れたら?判断とサイン

じゃがいもの収穫時期は葉っぱで判断!サインと見分け方 家庭菜園

家庭菜園で手塩にかけて育ててきたじゃがいもが、土の中でどれくらい大きく育っているのか、収穫の瞬間は何度経験しても胸が高鳴るものです。しかし、収穫時期を誤ると、せっかくの苦労が水の泡になってしまうこともあります。

早すぎれば芋が十分に肥大しておらず、逆に遅すぎれば腐敗や害虫被害のリスクが急激に高まるからです。実は、じゃがいもは地上の「葉っぱ」や「茎」の状態を通じて、私たちに最適な収穫タイミングを明確に伝えてくれています。

この記事では、葉っぱの黄変や倒伏といった視覚的なサインの読み解き方をはじめ、春植え・秋植えといった作型の違い、さらには北海道特有の気候に合わせた収穫スケジュールまで、失敗しないための知識を網羅的に解説します。

  • 葉っぱの黄変や倒伏から判断する収穫のサイン
  • 春植えと秋植えそれぞれの最適な収穫タイミング
  • 北海道や寒冷地における収穫時期の特徴
  • 雨の日を避けて土の状態が良い時に掘る重要性

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じゃがいもの収穫時期は葉っぱのサイン

じゃがいもの収穫時期を判断する上で、カレンダーの日数はあくまで一つの目安に過ぎません。気候や栽培環境によって生育スピードは大きく異なるため、最も信頼すべきは目の前の株の状態です。ここでは、プロの農家も実践している「葉っぱ」と「茎」の変化に基づく見極めポイントを詳しく解説します。

葉が黄色くなる・枯れる目安

葉が黄色くなる・枯れる目安

収穫適期を知らせる最大のシグナルは、葉の色の変化です。生育期間中は光合成を活発に行うために濃い緑色をしていますが、収穫期が近づくと葉で作られた養分が地下の芋(塊茎)へと転流し終わり、葉緑素が抜けて徐々に黄色くなっていきます。

具体的には、畑全体の葉っぱの約7割から8割が黄色く変色し、枯れ始めたタイミングが収穫のベストタイミングです。「枯れる」というとネガティブな印象を持つかもしれませんが、じゃがいも栽培においては「成熟完了」を意味する喜ばしいサインです。

新じゃがを楽しみたい場合 皮が薄く、水分を多く含んだ瑞々しい「新じゃが」として楽しみたい場合は、葉がまだ緑色の部分を残している段階(黄変が3〜4割程度)で早めに収穫することもあります。ただし、新じゃがは皮が未熟で傷つきやすく、長期保存には向きませんので、早めに食べ切る計画が必要です。

注意点として、地上部が完全に枯れ果てて茶色くカラカラになるまで放置するのは避けましょう。完全に茎と芋が離れてしまうと掘り起こしの際に芋の場所が分からなくなったり、土中での腐敗リスクが高まったりするため、「少し緑が残っているけれど、全体的に黄色い」状態を目安にするのが成功の秘訣です。

茎が倒れるのは収穫の合図

茎が倒れるのは収穫の合図

栽培初心者の方が驚かれる現象に「倒伏(とうふく)」があります。これまで空に向かって伸びていた茎が、ある時期を境に地面に這うようにパタリと倒れてしまう現象です。一見すると「病気にかかったのではないか」「風で折れてしまったのではないか」と不安になりますが、これは健全な生理現象ですので安心してください。(参考:全国農村教育協会:農業害虫や病害の防除・農薬情報情報

芋が十分に肥大し成熟が進むと、地上部の茎葉は老化し、自らの重みや組織の軟化によって自然と倒れます。これは、じゃがいもが「もう十分に育ちました、これ以上光合成をする必要はありません」と伝えている合図です。茎が倒れ、かつ葉が黄色くなっていれば、収穫準備は整ったと判断して間違いありません。

台風や強風などの物理的な力で無理やり倒された場合は「倒伏」とは異なり、まだ未熟な可能性があります。その場合は、茎が倒れていても葉の色が緑色であれば、もう少し様子を見てから判断しましょう。

花が終わったら収穫できる?

花が終わったら収穫できる?

「花が咲き終わったら、もう収穫しても良いのですか?」という質問は、家庭菜園の現場で非常によく聞かれます。しかし、結論から申し上げますと、花が終わった直後はまだ収穫には早すぎます。

じゃがいもの花が咲いている時期は、地下で芋の肥大が最も盛んに行われている真っ最中です。花が終わり、地上部が枯れ始めるまでの期間(約2〜3週間程度)に、芋は最後の仕上げとしてデンプンを蓄え、大きく成長します。そのため、花が落ちてすぐ掘ってしまうと、小ぶりで味の薄い芋しか収穫できない可能性が高いのです。

花が咲かない品種もあります 「キタアカリ」などは花が咲きやすい一方、「インカのめざめ」などの一部品種や、天候条件によっては花が咲かずに収穫期を迎えることもあります。「花が咲かないから収穫できない」と焦る必要はありません。あくまで「葉っぱの黄変」を第一の判断基準としてください。

試し掘りで芋の肥大を確認

試し掘りで芋の肥大を確認

葉っぱの状態だけでは判断に迷う場合や、プランター栽培などで中の様子が全く見えない場合は、「試し掘り」を行うのが最も確実な方法です。生育が平均的だと思われる株を1〜2株選び、実際に掘り上げてみましょう。

試し掘りの際にチェックすべきは、単なる大きさだけではありません。「皮の完成度」が非常に重要です。

チェック項目 判断基準
芋の大きさ 品種本来のサイズ(卵〜握り拳大)に育っているか
皮の状態 指の腹で強くこすっても皮が剥けないか

掘り上げた芋の皮を親指で強くこすってみてください。もし簡単に皮がズルッと剥けてしまう場合は、まだ未熟な証拠です。この状態で収穫すると、保管中に皮が剥けた部分から水分が抜けたり、カビが生えたりしやすくなります。こすっても皮がビクともしない状態(コルク化)を確認してから、全体の収穫を行うのが、長期保存を成功させるためのプロのテクニックです。

じゃがいもの収穫時期は葉っぱと注意点

葉っぱのサインを理解した上で、次に考慮すべきは「地域の気候」と「作型(春植え・秋植え)」によるスケジュールの違いです。特に日本には梅雨や霜といった、じゃがいも栽培にとって致命的となり得る気象イベントが存在します。これらを考慮した最適な収穫時期について解説します。

春植えは梅雨入り前に掘る

春植えは梅雨入り前に掘る

本州の一般地(中間地・暖地)で行われる春植え栽培において、収穫のデッドラインとなるのが「梅雨入り」です。春植えじゃがいもは通常、2月下旬〜3月に植え付け、5月下旬〜6月中に収穫を迎えますが、この時期は日本の雨季と重なります。

気象庁のデータを見ても、関東甲信越地方などでは平年6月上旬頃に梅雨入りすることが多くなっています。じゃがいもは高温多湿な環境に弱く、長雨で土が湿り続けると、わずか数日で腐敗が始まってしまいます。(参考:気象庁「昭和26年(1951年)以降の梅雨入りと梅雨明け(確定値)」)

葉が青くても決断が必要 もし週間天気予報で「梅雨入り確実」と判断される場合、葉っぱがまだ多少青々としていたとしても、大雨が降る前に全て掘り上げてしまう勇気が必要です。多少未熟でも食べられますが、腐ってしまえば食べることはできません。春植えでは「完熟」よりも「天気」を優先させましょう。

秋植えは霜の前に収穫を

秋植えは霜の前に収穫を

比較的温暖な地域で行われる秋植え栽培では、8月下旬〜9月に植え付けを行い、11月中旬〜12月に収穫します。ここでの最大の敵は「霜(しも)」と「凍結」です。

霜が降りるほど気温が下がると、地表付近にある芋が凍結し、細胞が破壊されて腐敗や食味の劣化を招きます。また、一度強い霜に当たると、地上の葉や茎は一晩で枯れ果ててしまいます。

秋植えじゃがいもは、寒暖差によりデンプンが糖に変わり、甘みが増すのが特徴ですが、本格的な冬将軍が到来し、初霜が降りる前までには必ず収穫を完了させるよう計画してください。

北海道の収穫時期の目安

国内のじゃがいも生産量の約8割を占める北海道では、気候が冷涼であるため、本州とは栽培カレンダーが大きく異なります。春(4月下旬〜5月)に植え付けを行い、夏から秋にかけて収穫する「一期作」が基本です。(出典:農林水産省:「作況調査(野菜)」

収穫の目的 収穫時期の目安 特徴
新じゃが(早出し) 7月下旬〜8月 皮が薄く、主にすぐ食べる用として流通。
貯蔵用(本格収穫) 9月〜10月上旬 皮をしっかり厚くさせ、冬越しの保存用に。

北海道では、8月のお盆過ぎ頃から早生品種の収穫が始まり、9月に入ると大型機械を使った本格的な収穫シーズンに突入します。10月に入ると気温が氷点下に迫る日も出てくるため、雪が降る前、あるいは土壌が凍結する前に収穫作業を終えるのが一般的です。

最適なじゃがいもを掘る時期

最適なじゃがいもを掘る時期

どの作型や地域であっても共通して言える「芋の品質を最高にするための期間」があります。それは、葉っぱの黄変サインが出てから、さらに数日間土の中で待つ期間です。

具体的には、地上の茎葉が7〜8割枯れ始めてから、約1週間から10日程度そのまま土の中に置いておきます。この期間に芋は成長を止め、表面の皮を厚く硬くする「キュアリング(治癒・硬化)」に近い現象を土中で起こします(※厳密なキュアリングは収穫後の処理を指しますが、土中でもある程度硬化が進みます)。

長期保存を目的とするならば、葉が枯れてすぐ掘るのではなく、この「待ち」の期間を設けることで、傷みにくく保存性の高いじゃがいもに仕上がります。

雨の日の収穫は避けるべきか

雨の日の収穫は避けるべきか

収穫作業の日程を決める際、何よりも優先すべき鉄則があります。それは、「雨の日や雨上がりの直後には絶対に収穫しない」ということです。

水分を多く含んだ土で作業をすると、芋の表面に泥がこびりつき、乾燥しにくくなります。その結果、保管中にカビが生えたり、腐敗菌が繁殖したりする原因となります。また、濡れた状態で芋同士がぶつかると、皮が剥けやすくなり、そこから細菌が侵入します。

理想的な天気条件 収穫にベストなタイミングは、「晴天が2〜3日続き、畑の土が白っぽく乾いている日」です。土がサラサラしていれば、掘り上げた芋に泥がほとんど付かず、その後の乾燥作業も非常にスムーズに進みます。

葉が青いまま枯れない原因

葉が青いまま枯れない原因

「収穫予定の時期(日数)が来たのに、葉っぱが青々としていて全く枯れる気配がない」という相談も少なくありません。これには主に2つの原因が考えられます。

  1. 肥料の効きすぎ(窒素過多) 追肥の量が多すぎたり、元肥に窒素分の多い肥料を使ったりすると、「つるぼけ(蔓ボケ)」と呼ばれる状態になります。葉や茎ばかりが異常に成長し、地下の芋に栄養が行き渡らない状態です。
  2. 晩生(おくて)品種である 品種によっては成熟までに長い期間(120日以上)を要するものがあります。育てている品種の特性を再確認してみましょう。

もし、梅雨入りや霜といった気候的なリミットが迫っているにもかかわらず葉が青い場合は、収穫の数日前に地上の茎を鎌などで刈り取ってしまう方法があります。茎を切ることで強制的に成長を止め、そこから数日間土の中に置いておくことで、皮の硬化を促すことが可能です。

じゃがいもの収穫時期は葉っぱの総括

  • 収穫のベストサインは全体の7割から8割の葉が黄色くなった時
  • 茎が自然に倒れる「倒伏」は、病気ではなく芋が完熟した証拠
  • 花が終わってすぐ収穫するのは早計。葉が枯れるまで2〜3週間待つのが基本
  • 新じゃがを楽しみたいなら、あえて葉が緑のうちに早掘りする選択もアリ
  • 迷ったら試し掘りをし、指でこすって皮が剥けないか(コルク化)を確認する
  • 春植えは「梅雨入り前」の晴れ間を狙って掘り上げることが最優先
  • 秋植えは「初霜」が降りて芋が凍る前に収穫を完了させる
  • 北海道などの寒冷地では8月から10月にかけてが収穫シーズン
  • 雨の日や雨上がり直後の湿った土での収穫は腐敗の原因になるため避ける
  • 晴天が数日続き、土が乾いてサラサラしている日が収穫の最適日
  • 収穫後は風通しの良い日陰で表面を乾燥させてから保存する
  • 葉が青いままの場合は肥料過多の可能性があるが、気候優先で収穫判断をする
  • 必要であれば茎を刈り取って数日待ち、皮を硬化させてから掘る方法もある
  • カレンダーの日数よりも、葉っぱの状態と直近の天気予報を優先する

収穫後の光に注意!ソラニン(毒素)の発生
収穫したじゃがいもを日光や蛍光灯の光に当て続けると、皮が緑化し「ソラニン」や「チャコニン」という天然毒素が増加します。これは食中毒の原因となるため、保存は必ず光の当たらない冷暗所で行ってください。(参考:農林水産省:じゃがいもの天然毒素(ソラニン、チャコニン)に関する情報

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