じゃがいも・ばれいしょ・メークインの違いは?選び方と安全な見分け方

じゃがいも・ばれいしょ・メークインの違いを解説!男爵との比較も 食材

スーパーの野菜売り場で「じゃがいも」「ばれいしょ」「メークイン」といった表記を見て、これらの違いが分からず戸惑った経験はありませんか?なぜ呼び名が複数あるのか、メークインとは一体何なのか、疑問に思う方も多いでしょう。

また、じゃがいもが黄色い理由や、安全のためのじゃがいもの未熟な芋の見分け方など、日々の料理で知っておきたい知識もあります。これらは、料理の仕上がりや安全性にも関わる大切なポイントです。

この記事では、それらの言葉の明確な違いから、品種ごとの使い分け、安全な選び方までを分かりやすく解説します。

  • 「じゃがいも」と「ばれいしょ」の明確な関係性
  • 「メークイン」がどのような品種か
  • メークインと男爵いもの料理での使い分け
  • 安全なじゃがいもの選び方のポイント

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じゃがいも、ばれいしょ、メークインの違いを定義から解説

まず、混同しやすい3つの言葉の定義と関係性を整理します。これらの違いが分かれば、スーパーでの野菜選びや料理の際に迷うことがなくなります。

「言葉の定義」と「品種の特性」という2つの側面から、それぞれの違いを明らかにしていきましょう。ここでは、代表的な品種である「男爵いも」との比較も交えながら、それぞれの特徴と最適な調理法を見ていきます。

「ばれいしょ」は「じゃがいも」の正式名称

「ばれいしょ」は「じゃがいも」の正式名称

結論から言うと、「じゃがいも」と「ばれいしょ(馬鈴薯)」は同じ植物を指す言葉です。両者に植物学的な違いはありません。

私たちが日常会話で使う「じゃがいも」は、一般的な「通称」です。その語源は、江戸時代にオランダ商人によってジャワ島の「ジャガトラ(現在のジャカルタ)」から持ち込まれたことから、「ジャガトラいも」と呼ばれ、それが詰まって「じゃがいも」になったという説が有力です。

一方、「ばれいしょ」は、植物分類学上の「正式な和名」にあたります。「馬鈴薯」という漢字は、中国語に由来し、芋の形が「馬につける鈴(馬鈴)」に似ていることから名付けられたとされています。

そのため、農林水産省の統計データや、学術的な文書、法律など、公的な場面や専門分野では、統一された呼称として「ばれいしょ」という堅い表現が用いられます(参考:農林水産省:作況調査(野菜))。スーパーの産地表示などで見かけることもありますが、どちらも同じものを指していると理解しておけば問題ありません。

「メークイン」はじゃがいもの品種名

「メークイン」はじゃがいもの品種名

では、「メークイン」は何かというと、これは「じゃがいも(ばれいしょ)」の数ある中の一つの「品種名」です。

分かりやすく例えるなら、「りんご」という大きな分類の中に、「ふじ」や「つがる」といった品種があるのと同じ関係です。「じゃがいも」という大分類の中に、「メークイン」や「男爵いも」、「キタアカリ」、「インカのめざめ」といった、形、食感、味わいが異なる多様な品種が存在します。

メークインの豆知識

メークインは、大正時代にイギリスから導入された品種です。名前の由来は、ヨーロッパの春の祭り「May Queen(5月の女王)」から来ているとされ、その歴史は日本でも長いです。「男爵いも」と並んで、日本の食卓に長く親しまれてきた代表的な品種の一つです。

メークインと男爵いもの食感の違い

メークインと男爵いもの食感の違い

じゃがいもの品種は、料理の適性を決める「食感」によって、大きく二つのタイプに分けられます。メークインは「ねっとり系(粘質)」、そしてメークインとしばしば比較される「男爵いも」は「ホクホク系(粉質)」の代表格です。

この食感の決定的な違いは、芋に含まれる「デンプン含有量」によって生まれます。

  • メークイン(粘質): デンプン質が比較的少なく、水分が多めです。そのため、加熱しても組織の結びつきが強く、しっとり・ねっとりとした滑らかな食感に仕上がります。
  • 男爵いも(粉質): デンプン質が非常に多く、水分が少なめです。加熱するとデンプンの粒子が水分を吸って膨らみ、細胞が離れやすくなるため、ホクホク・ポクポクとした粉をふいたような食感になります。

どちらが良いというわけではなく、作りたい料理によって最適な品種を選ぶことが、美味しさの鍵となります。

煮崩れしにくいメークインの用途

煮崩れしにくいメークインの用途

前述の通り、メークインの最大の特徴は「煮崩れしにくい」ことです。これは、デンプン質が少なく組織がしっかりしているためです。この特性を活かし、食材の形をそのまま残したい料理に最適です。

例えば、カレーやシチュー、肉じゃが、おでんといった煮込み料理に使うと、長時間煮込んでもじゃがいもが溶けてルーや煮汁に消えてしまうのを防げます。また、きめ細かく滑らかな舌触りは、炒め物やジャーマンポテト、皮付きのまま素揚げにするフライドポテトなどでも美味しくいただけます。

逆に、その結びつきの強さから、ポテトサラダやコロッケのように「潰す」作業にはあまり向いていません。滑らかなマッシュ状になりにくく、ゴロゴロとした塊が残りやすいためです。

メークインがおすすめの料理

  • カレー、ビーフシチュー(形を残したい場合)
  • 肉じゃが、筑前煮、おでん
  • ジャーマンポテトなどの炒め物
  • シチュー(具材として楽しむ場合)

ホクホクな男爵いものおすすめ料理

ホクホクな男爵いものおすすめ料理

一方、「ホクホク系」の男爵いもは、その食感と「煮崩れしやすさ」を活かした料理に向いています。加熱するとすぐに柔らかくなり、味が染み込みやすいのが特徴です。

男爵いものホクホク感を最大限に楽しむなら、じゃがバターや粉ふきいもがおすすめです。また、調理中に崩れやすい性質は、コロッケやポテトサラダのように、芋を潰して使う料理にとっては最大のメリットとなります。加熱後に力を入れなくても簡単に潰れ、非常に滑らかで口当たりの良いマッシュポテトを簡単に作ることができます。

逆に、カレーやシチューなどの煮込み料理に使うと、煮込んでいるうちに形が崩れて溶け出し、ルーがドロドロになってしまうことがあるため、注意が必要です(それを好みとする場合もあります)。

比較項目 メークイン(ねっとり系) 男爵いも(ホクホク系)
見た目 細長い卵型、表面はなめらか 丸く、くぼみが深い(ゴツゴツ)
食感 ねっとり、しっとり、きめ細かい ホクホク、粉っぽい
煮崩れ しにくい しやすい
おすすめ料理 カレー、シチュー、肉じゃが、おでん ポテトサラダ、コロッケ、じゃがバター

じゃがいも・ばれいしょ・メークインの違いと、安全な選び方

じゃがいもは品種の違いだけでなく、「状態」を見極めて選ぶことも非常に重要です。特に未熟な芋や、光に当たったり、不適切な環境で保存されたりした芋には注意が必要です。ここでは、天然毒素「ソラニン」や「チャコニン」のリスクを避け、安全で美味しいじゃがいもを選ぶための具体的なチェックポイントを解説します。

安全な芋の選び方の基本ポイント

安全な芋の選び方の基本ポイント

スーパーでじゃがいもを選ぶ際は、まず以下の3点をチェックする習慣をつけましょう。これらは、じゃがいもの鮮度と安全性の重要なバロメーターとなります。

  1. 芽が出ていないか
    じゃがいもの芽や芽の根元には、後述する天然毒素が特に多く含まれています。芽が出ているものや、出かかっているものは避けるのが賢明です。
  2. 皮の色が均一か
    皮が緑色に変色しているもの(緑化)は、毒素が増えている危険なサインです。全体的にきれいな褐色(または品種本来の色)で、シワがなくハリとツヤがあるものを選びましょう。ハリとツヤは、水分がしっかりと保たれている新鮮な証拠です。
  3. 適度な硬さがあるか
    手で軽く握ってみて、カチッとしっかりとした硬さがあるものが新鮮です。シワが寄っていたり、ブヨブヨと柔らかくなっているものは、水分が抜けて鮮度が落ちているか、腐敗が始まっている可能性があるため避けましょう。

じゃがいもが黄色い理由とは?

じゃがいもが黄色い理由とは?

じゃがいもを切ったときに、果肉が黄色いことがありますが、これは品質が悪いわけでも、未熟なわけでもありません。この黄色みは、主に品種による特性であり、色素によるものです。

この黄色の正体は、主に「カロテノイド」という色素です。例えば、「キタアカリ」や「インカのめざめ」といった品種は、このカロテノイドを特に多く含むため、果肉が鮮やかな黄色をしています。

これらの品種は甘みが強い傾向があり、その色合いから「栗じゃが」などと呼ばれることもあります。「キタアカリ」はビタミンCも豊富とされています(参考:ホクレン農業協同組合連合会:北海道のじゃがいも(ばれいしょ))。「メークイン」も、果肉が真っ白な「男爵いも」に比べると、やや黄色みがかった淡いクリーム色をしています。

したがって、皮が緑色でない限り、果肉の黄色さは品種の個性であり、美味しさのサインの一つと捉えて問題ありません。

じゃがいもの未熟な芋の見分け方

じゃがいもの未熟な芋の見分け方

安全面で特に注意したいのが、未熟なじゃがいもです。未熟な芋には、天然毒素である「ソラニン」や「チャコニン」が多く含まれている可能性があるとされています。これらは、じゃがいもが自分自身を守るために生成する成分です。

天然毒素(ソラニン・チャコニン)に関する注意

農林水産省の注意喚起によると、ソラニンやチャコニンは、じゃがいもの芽や、光に当たって緑色になった皮の部分に多く含まれるとされています。これらを一定量以上摂取すると、吐き気や腹痛、下痢、めまいなどの中毒症状を引き起こす可能性があり、特に家庭菜園などで収穫する際は、未熟な状態で収穫しないよう気をつける必要があります。

未熟な芋を見分けるサインとしては、次のような点が挙げられます。これらは絶対的な基準ではありませんが、判断材料の一つとなります。

小さすぎる芋は未熟な可能性

小さすぎる芋は未熟な可能性

市販されているじゃがいもは一定の基準で選別されていますが、家庭菜園などで収穫する場合、極端に小さい芋は未熟である可能性が考えられます。

一般的な目安として、じゃがいもは成長(成熟)するにつれて芋の中の毒素の含有率が下がると言われています。そのため、直径が2〜3cm以下の小さな芋は、成熟した芋に比べて体積に対する毒素の「割合」が高くなることがあるとされています。

もちろん、品種(「小芋」として食べられる品種)や栽培条件にもよるため一概には言えませんが、家庭菜園などで土寄せが不十分で光が当たり、小さいまま緑化してしまった芋などは特に注意が必要です。

断面の色でわかる芋の状態

断面の色でわかる芋の状態

成熟したじゃがいもの断面は、品種にもよりますが、白色や淡い黄色で、組織がきめ細かく詰まっています。もし切ってみて、断面が透明がかっていたり、黄緑色っぽかったり、組織がゆるく水っぽかったりする場合は、デンプンが十分に蓄積されていない未熟な状態であるか、光の影響を受けている(緑化が始まっている)可能性があります。

また、調理時に異常な苦味やえぐみ、青臭さを感じた場合は、毒素が含まれているサインかもしれません。その場合は、安全のためにすぐに食べるのを控えるのが賢明です。

買うべきではない芋の特徴

これまでのポイントを総合して、スーパーで「買うべきではない」芋の最大の特徴は、「皮が緑色に変色している芋」です。

じゃがいもは、植物の根ではなく「地下茎」という茎の一種です。そのため、太陽光や蛍光灯などの光に当たると、葉と同じように光合成をしようとして「葉緑素」を作り出し、皮が緑色に変色(緑化)します。

この緑化は、植物が光のストレスから身を守ろうとしているサインであり、この時、同時に有毒なソラニンやチャコニンも皮の周辺で大量に生成されていると言われています。

もし購入した芋が緑色になっていたり、保存中に緑色に変色したりした場合は、その部分が完全になくなるまで、皮を通常よりも厚くむく必要があります。皮をむいても緑色が残っている場合は、その部分がなくなるまで深くえぐり取ってください。

緑色の部分があまりに広範囲な場合は、安全のために食べずに廃棄することも検討してください。(参照:農林水産省「じゃがいもによる食中毒を予防するために」

まとめ

この記事で解説した「じゃがいも、ばれいしょ、メークインの違い」に関する要点をまとめます。

  • 「じゃがいも」は日常で使う通称
  • 「ばれいしょ」は学術的な正式和名
  • 「じゃがいも」と「ばれいしょ」は同じものを指す
  • 「メークイン」は「じゃがいも」の品種名の一つ
  • メークインは「ねっとり系」で煮崩れしにくい
  • 男爵いもは「ホクホク系」で煮崩れしやすい
  • メークインはカレーやシチューなど煮込み料理向き
  • 男爵いもはポテトサラダやコロッケなど潰す料理向き
  • じゃがいもが黄色いのは品種(カロテノイド)によるもの
  • 未熟な芋には注意が必要
  • じゃがいもの未熟な芋の見分け方として「小さすぎること」も目安になる
  • 断面が透明がかっている芋は未熟な可能性がある
  • 買うべきではない芋は「皮が緑色」のもの
  • 緑色の皮や芽にはソラニンなどの毒素が多いとされる
  • 緑色の部分は皮を厚くむいて除去する
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